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2013年3月 2日 (土)

「地名」と「駅名」(1) 

馴染みの地域に静岡県東部と山梨県がある。三島・沼津方面は仕事の関係があり、山梨県は東京西部に住む我が家には近場の観光地なのだ。

 

ところで、この山梨には頻繁に出かけるので、昨年の中央道「笹子トンネル」の天井板落下は怖ろしい事故(事件)なのだ。先日も甲府に行った帰りが丁度事故後のトンネル開通日で、上りの正に事故のあった箇所を通過したが、天井板を除くとこんなに高かったのかと驚いたのだった。まだ開通1時間後だったため工事の粉塵が舞い、トンネル出口方向がうっすら黄色く霞んでいた。

 

で、話は戻り「地名」と「駅名」なのだ。

 

●「地名」

静岡県東部に「伊豆市」と「伊豆の国市」という市があるが、どこだかお判りだろうか? 静岡県の人は当然知っているだろうが、“伊豆”とあるから当然伊豆半島にあるのだが、“昔の名前は何?”ではなかろうか。

 

こうした地名の変更は市町村合併によるものだ。市町村合併は明治時代から連綿と、且つ大規模に行われてきたのだが、近年の「平成の大合併」も動きが多かったようだ。

2003年(平成15年)~2005年(平成17年)をピークに、1999年(平成11年)に3,232あった市町村が2006年(平成18年)には1,820まで減少したのだという。

 

さて、その2市だが伊豆半島の中央部に「伊豆市」、その北に接し「伊豆の国市」がある。

「伊豆市」は2004年に旧「修善寺町、土肥町、天城湯ヶ島町、中伊豆町」が合併。「伊豆の国市」は翌2005年旧「伊豆長岡町、大仁町、韮山町」が合併し誕生したものだ。新しい地名で判らなくても「修善寺、天城湯ヶ島」と「伊豆長岡、大仁」とかと言えば大概の人は“ああここか!”と判るだろう。

1

 

次に山梨県だ。ここはかなり頻繁に出かけるという人でも解りにくい。というのは「山梨」を意味する地名がいくつも登場するからだ。

「甲斐市」「甲州市」「山梨市」といった具合で、いずれも古くからのこの地の呼び名だ。他に「南アルプス市」「笛吹市」「北杜市」「中央市」という市もある。

 

ではご回答。

Photo

「甲斐市」は県北西部に位置し、甲府市の西隣。2004年(平成16年)に「竜王町、敷島町、双葉町」が合併。「甲州市」は県北東部に位置し、2005年「塩山市、勝沼町、大和村」が合併。「山梨市」は県東部、勝沼の隣に位置し、2005年に「牧丘町、三富村」が合併した。ここも「竜王、双葉」「塩山、勝沼」「牧丘」あたりの地名だと判る人は多いと思う。

 

因みに、「南アルプス市」は県西部で、2003年に旧「中巨摩(こま)郡櫛形町、若草町、白根町、甲西町、八田村、芦安村」が合併した。ここは「北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、櫛形山」等南アルプスの地域なのでまだ解りやすい。ただ、ここは地名についてゴタゴタがあったらしく、住民投票を!の声があり「こま野市」の地名も有力だったらしい。

 

「笛吹市」は県中央部、甲府市の東に隣接し、中心部を流れる「笛吹川」から採られた地名。2004年に旧「石和町、御坂町、一宮町、八代町、境川村、春日居町」が、2006年に「芦川村」が合併して誕生した。

 

「北杜市」は県最北部に位置し、2004年に旧「須玉町、長坂町、白州町、高根町、大泉町、武川村、明野村」、2006年に旧「小淵沢町」が合併し誕生。ここも「山梨県(杜)の北部」なので、「八ヶ岳」「茅ヶ岳・金峰山」「甲斐駒ヶ岳」がある各町村の駆け引きがあったが譲らず、止む無くこの地名になったらしい。

 

「中央市」!とは大きく出たが、名前の通り県中央部に位置し、2006年旧「玉穂町、田富町、豊富村」が合併した小さな市だ。

 

とまぁいろんな合併がある。いずれも1995年(平成7年)「地方分権一括法」により「合併特例法」の改正が行われ、合併による行政の権限・財政支援措置、地方交付税の削減・・各種の要因があったのだが、まぁ金の問題が最大の要因だろう。

こうした事情なので、自治体サイドでは本当はやりたくない合併もあったようで、合併後の名称問題で御破算になった例もあるらしい。

 

従って、名称は“妥協の産物”で特定の自治体を連想させないような地名となり、どこにあるのやら判らないものが増加したのだ。伊豆に来て「伊豆市」「伊豆の国市」、山梨県に来て「甲斐市」「甲州市」「山梨市」って、おかしいと思わなかったんだろうか?

観光収入に依存する自治体ですらこの現状だ。歴史ある地名は観光客誘致に必須の貴重な財産で、「ブランド、のれん」の価値を理解していない自治体らしい思考だ。

 

合併後の名称は、全国的に見て知名度が高いとか、人口の多い町村名に統一する等が現実かと思うが、観光・地域活性化・広報宣伝等をもっと意識していたら違うのにと思うのだ。そもそも合併は何のため行うのかという原点を良く考えると、こんな事態にはならないのでは。各町村の合意を得るためと言えど、これでは地方行政の“無策”と“エゴ”を自ら宣伝しているようなものだ。

「観光立国」を国の施策として推進しているのに、こうした命名は“マイナス”の観光宣伝になってしまう。

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